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ナルナルボカシの醗酵過程-多段層醗酵    Tweet


土耕菌ナルナルを使うと、何故簡単に籾殻が分解されるのかを解説します。
ナルナルボカシ応用編は、下にあります。

【 解説 】ナルナルボカシの特徴は、醗酵中の菌層を大切にするということです。

セルロースの分解という前代未聞の発酵を高速に行う時に、菌達がてんでバラバラに活動していたのではこの大仕事が出来ません。秩序だった分解の順序を踏まえることによってスムーズに自然にもみ殻が分解されて行きます。

多段層醗酵の写真
写真1

この写真は、もみ殻発酵中の培養層の中の様子を掘った断面図です。中央と表面付近では違う微生物が、働いています。時間が経つと表面の菌糸が徐々に内部に進出して行きます。

発酵の手順は、

①乳酸菌、麹菌によるアルコール発酵による前処理、(籾殻を覆っているクチクラ層(水を弾くワックス)を溶かすことと、②で活躍する菌達の餌を作ります。)

  ↓

②セルロース分解菌によるセルロース、ヘミセルロースなどの分解。図2参照

  ↓

③放線菌類等の繁殖(土の中で増える菌、土壌菌)

という手順で進んで行きます。

その経過はなんと匂いで判断することができます。

①では、甘いフルーツワインの香り(短時間で消えるので、匂う瞬間に立ち会えばラッキーだと考えていいでしょう) ②では、セルロース(糖鎖)が分解されて低単糖に移行しますので、甘い黒糖の匂いがします。この時、水分がやや多めですと、枯草菌等によるドブ臭い匂いも多少混ざることがあります。③では、単糖(砂糖の仲間)が好きな放線菌(土壌菌群)が繁殖し完成となります。図2参照

この単糖類には、ガラクトースやマンノース、オリゴ糖、ブドウ糖などの様々な種類の糖が含まれています。よく、畑に砂糖類を直接散布する方がいますが、緊急時の対処なら良いですが、継続して、散布すると、肝心のセルロース分解菌がいなくなり、結果として畑を壊す原因となりますから、ご注意下さい。

多段層醗酵模式図
図1
この図では、ボカシている時の内部の菌群の種類を色で分けたものです。
醗酵する段階ごとに段層ができます。(ダンボール箱での発酵では、量が少ないので綺麗な段層は判りづらいかもしれません。)

このように段層を作る発酵を私は多段層醗酵と名づけました。
ナルナルボカシでは、この段層を大切にしています。ですから攪拌はしないよう指導しているのです。攪拌すると、折角出来た段層が破壊されリセットされてしまうからです。
これがこれまでの堆肥作りと最も違う考え方であり方法です。
このような方法が可能になったのは、ナルナルの発酵臭が臭くないということです。
堆肥作りは、如何に悪臭を防ぐか、という所から技術が発展しましたから。

図2
モミガラ分解菌ナルナルがセルロースを分解する仕組み

 難しい話をできるだけ、やさしく書きました。
 これまでの、微生物資材は、セルロースの分解するチカラが弱かったのです。
それは、また、どうすれば微生物によって効率的にセルロースを分解する事が
できるのかも謎のままでした。ナルナルを解明することでその謎が明らかになりつつあります。
こうすれば、セルロースが早く分解するという道筋が見えたからです。

 土耕菌ナルナルが、モミガラの主成分であるセルロースを分解する事が出来たのは、
偶然に近いものがありますが、自然界の仕組みを応用したと言う事が言えます。
できるだけシンプルに気持ちのいい醗酵ができるよう菌達の住み心地を良くしてあげたからでしょう。皆さんもモミガラボカシを作って、菌達のシンフォニーを嗅いで見て下さい。


ナルナルボカシ応用編

新しいボカシ作りのための資料を作りました。
PDFでもダウンロード版はこちらから

このページでは、資料写真画像と、テキストを表示しています。


ナルナルボカシ作り

 様々なタイプの作り方があります。
参考にしてください。
よく読むこと!

発酵中の熱は米糠の量を増やすと80℃に上げる事も出来ます。もみがら酵素風呂も楽しめます

多断層発酵の発見


もみ殻の分解過程による微生物の集団的働きが断層のように色が変わって顕れます。

卵の形に似た発酵を行うので、卵型発酵と呼びます。微生物が分解する順番を示しています。

もみ殻発酵の経過時に見られる現象について。

 図は、発酵槽を上方から見た中央断面図である。発酵槽の中では卵のような形で発酵が進んでいる。 

 通常5層~7層の微生物によって形成され、くっきりとした断層を目視することが出来る。 

 (多断層発酵の現場写真)

右の写真は、発酵槽をスコップで掘った時の断面の様子である。

発酵開始から3日目の発酵もみ殻の写真。

中央の黄色い部分は発酵初期過程のもみ殻だが、甘い香りのするのが特徴である。

 表面の白く見える部分のもみ殻は、分解がほぼ終了している。

 

通常の堆肥づくりでは、切り返しを煩瑣におこなうがナルナルの発酵の場合、切り返しを行わない事で、

完成(熟成)》する。

材料の量は容積の比率で計算してください。 ×重量でやらないでください。

籾殻の乾燥度によって重量が変わるからです。古いモミガラでも使えます。


作りたい量の材料を用意します。 
基本混合比率
モミガラ 20リットル
ナルナル菌 2リットル
米糠 4リットル
水  4リットル

米糠の量が多いほど発酵が早まります
米糠が少ないと醗酵しないことがあります。

まず、モミガラと米糠、ナルナル菌をよく混ぜてください。

均一によく混ぜたら水を加えます。水は井戸水や川の水、雨水でも構いません。

水道水の場合、塩素が多いと菌が殺菌されてしまうので、1日放置してカルキ抜きをした水にしてからご使用ください。

よく混ぜる

 水は後から加える

(米糠がダマになるからです)


材料の混合する場所は何処でも構いません。色々な現場写真を掲載していますので参考にしてください。

大量に作るときは、撹拌機や、トラクターのロータリー、ユンボなどを使う事もできます。

よく混ぜる

 水は後から加える


廃車の中やヨド物置では、水蒸気が籠るので。換気が必須です。

路地の場合

ビニールシートで雨除けする事

下地は土でもかまいません。


冬季の寒い時期は、発酵熱が逃げるので、毛布を掛けるなどの保温が必要です。


発酵容器の色々

コメ袋や段ボールで発酵中


発酵場所の注意点

発酵場所が10センチずれただけで、醗酵具合が変化します。最適な場所を経験によりつかんでください。
1つの容器の高さは50センチまで。
高くすると底部が嫌気的になり臭くなります。
積み重ねる場合は、容器の上下に空気が抜ける隙間を確保してください。
箱や袋の横の広さは関係ありません。
水蒸気が発生するので、空気が抜けるようにすること。
紙は濡れて底が破ける事がありますので、発酵が始まり、底が破れそうな気配があったら箱をそのまま天地返ししてください。
箱の中の攪拌はしないでください。多段層発酵が壊れてリセットされてしまいます。
発酵中は、色々な匂いがします。悪い臭いではありません。
時々刻々と匂いが変化するので、日毎、時間毎に体験してみてください。
発酵臭は、ワインのようなアルコール発酵、乳酸発酵、納豆のような発酵等、様々に変化し、最後は放線菌による土の匂いがします。
古い蔵のニオイと言われています。

ビニールハウスの中に仕切りを作って攪拌放置


セメント用の舟で攪拌そのまま放置


気温が高いと、水分の蒸発が早すぎる事があるので、ビニールシートで覆ってください。



発酵が終わると、温度が下がり、自然乾燥してきます。

そうなると、出来上がりです。

完成品は、中まで菌糸が回っています。


ボカシを使用する際は、攪拌して、外側と内側をよく混ぜてお使いください。菌糸の固まりはほぐしてください。

保管は、水のかからないところで、ネズミにご注意。

スタイロで作る足風呂


野菜コンテナで作る


疲れた足に足風呂は最高の癒し


ナルナルボカシは、米糠と水分を加算することで連続高温発熱(60~80)します。加算し続ける限り発酵は終わりません。


日によって変色するモミガラ。

季節によって進み具合は異なります。

夏場は3日で完成する事もありますが、寒い冬場は、助走に時間がかかります。
気温が低く、加える水も
0℃に近いと発熱する迄、10日位かかることがあります。
 ホッカイロや温水で加温する事もあります。


巨大ガラスハウスで作る果樹園さん


大量のモミガラをダンプ運んでます床はコンクリートです。


多色なカビと拡大写真。菌糸の太さは0.001mm。綱のように束になって太く見える事もあります。菌糸の中には水が流れています。黒い粒は菌の胞子です。


ナルナルボカシで働く菌の種類は数千種と言われています。人間の目では見えない無数の菌類が活躍しています。赤や黄や青と、様々な色のカビが生える事もあります。カビを沢山生やすのがナルナルボカシの特徴ですので、カビが生えたら成功の一歩です。これからもナルナルボカシをお楽しみください。